不妊治療コラム

COLUMN

体外受精の保険適用 ―年齢と回数の上限について―

2026.10.14不妊治療

2022年4月から、体外受精や顕微授精などの不妊治療に公的医療保険が適用されるようになり、治療を始めやすくなったと感じている方も多いのではないでしょうか。

ただし、体外受精などの保険診療には、年齢と回数に一定の条件があります。あらかじめ知っておくことで、ご自身に合った治療の進め方を考えるうえでの参考になります。今回は、その条件についてわかりやすくご紹介します。

タイミング法・人工授精には、年齢や回数の制限はありません

まず、タイミング法や人工授精などの一般不妊治療については、保険診療において年齢や回数の制限は設けられていません。

年齢・回数の条件があるのは、体外受精や顕微授精、胚移植などの生殖補助医療です。

体外受精・顕微授精の保険適用の条件

生殖補助医療の保険適用は、治療を開始したときの女性の年齢によって、次のように定められています。

治療開始時の女性の年齢保険で受けられる胚移植の回数
40歳未満1子ごとに通算6回まで
40歳以上43歳未満1子ごとに通算3回まで
43歳以上保険適用外

 

知っておきたい3つのポイント

① 数えるのは「胚移植」の回数です

回数の上限は、受精卵(胚)を子宮に戻す胚移植の回数で数えます。採卵の回数で数えるわけではありません。

② 年齢は「治療を開始したとき」で判断します

年齢は、初めての胚移植に向けた治療計画を作成した日の年齢で判断します。そのため、たとえば39歳で治療を始めた方は、治療の途中で40歳を迎えても、上限は6回のままです。

③ 出産されると、回数はリセットされます

保険診療の胚移植で妊娠・出産された後、次のお子さんを希望して治療を始める場合には、そのときの年齢に応じて、改めて6回または3回まで保険で胚移植を受けることができます。

年齢と治療のタイミングについて

このように、生殖補助医療の保険適用は、治療開始時の年齢によって回数の上限が変わります。また、妊娠のしやすさは年齢とともに少しずつ変化していくことも知られています。

もちろん、どの治療をいつ始めるかは、ご夫婦のお気持ちやご状況によってさまざまです。「まだ体外受精までは考えていない」という段階でも、一度ご相談いただくことで、今後の見通しを立てやすくなります。迷っている方も、どうぞお気軽にご来院ください。

当院での治療の対象年齢について

なお、当院では、妊娠・出産に伴うお身体への負担なども考慮し、50歳未満の方を不妊治療の対象とさせていただいております。

43歳以上の方の体外受精などは保険適用外(自費診療)となりますが、50歳未満の方であれば、ご年齢やご希望をふまえて、一緒に治療の進め方を考えてまいります。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

最後に

保険適用の条件は少し複雑に感じられるかもしれませんが、ご自身の場合はどうなるのか、診察の際に一つひとつご説明いたします。保険適用による変化については、コラム「不妊治療が医療保険適用になったことによる変化とは?」もあわせてご覧ください。

これからも当院では、患者様お一人おひとりのご状況に合わせて、納得して治療を進めていただけるようサポートしてまいります。

 

執筆・監修
オガタファミリークリニック 院長 緒方 誠司

  • 医学博士(大阪大学)
  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 日本生殖医学会認定生殖医療専門医
  • 日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医
  • 母体保護法指定医
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