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不妊治療・婦人科

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高度生殖医療

高度生殖医療

高度生殖補助医療を行うには、最先端の設備、経験のある人材、高い技術が必要とされます。
当院は日本産科婦人科学会の審査を受け、日本産科婦人科学会の体外受精・胚移植、顕微授精、ヒト胚および卵子の凍結保存と移植の登録施設に承認されています。

体外受精

体外受精は高度生殖補助医療の一つに数えられ、いまや不妊治療にとって欠かせない治療法となっています。
1978年、英国で両側の卵管閉塞と診断され、従来の不妊治療では妊娠不可能と考えられた女性に対し、エドワーズ博士とステップトー医師によりこの治療法が行われ、世界で初めて体外受精治療による女児(ルイーズ・ブラウン)が出生しました。その後、体外授精・胚移植は世界中で広く実施されるようになり、現在ではもはや研究的な治療ではなく、標準的な不妊症の治療法として、多くの不妊に悩むカップルに福音をもたらしています。また、この治療法を開発したエドワーズ博士はその業績により2010年度のノーベル生理学・医学賞を受賞することとなりました。

現在、日本は世界でも有数の生殖補助医療大国であり、年間4万人を超える赤ちゃんがこの方法により生まれるようになっています。

顕微授精

顕微授精は、卵子と精子を顕微鏡で観察しながら操作し、授精を試みる治療法です。
顕微授精にはいろいろな方法がありますが、1992年に開発された、卵子の細胞質の中に細い針を穿刺して、直接精子を注入する卵細胞質内精子注入法(ICSI)が、それ以外の方法より成功率が高いことが報告されており、現在における顕微授精の標準的な方法となっています。この治療の登場以前は、高度の乏精子症など体外受精を行っても受精を得ることができない場合、治療は大変困難でした。この顕微授精の技術の確立によって、現在では健全な精子が1個でもあれば、妊娠を目指した治療をすることができるようになったと言えます。
当院では、必要な最新の機材を整備し、豊富な経験を持つ培養士によって顕微授精が行われています。

調節卵巣刺激法

高度生殖医療においては、良い卵子を数多く育てることが、妊娠率を高めることにつながります。
一般的には排卵誘発剤を使い、なるべく多く良質の卵を育てます。これを調節卵巣刺激といいます。排卵誘発治療に用いるお薬は、卵胞・卵子を育てる経口や注射の排卵誘発剤、卵子の成熟を促すhCG製剤、排卵を抑えるGnRHアナログやGnRHアンタゴニストなどのホルモン製剤です。GnRHアナログ製剤は通常、点鼻できるスプレータイプのものを使用します。治療前周期には卵巣を休め、月経を整えるために、卵胞ホルモン、黄体ホルモンなどのホルモン製剤を使用することも多くあります。排卵誘発の種類は、血液検査(抗ミュラー管ホルモン(AMH)、基礎ホルモン値)や超音波所見(胞状卵胞数)による卵巣予備機能の評価と、過去の治療内容、ご夫婦の希望などを参考にしながら、医師から提案させていただきます。

胚凍結、融解胚移植

排卵誘発治療により採卵時に複数の卵子が得られ、そこから複数の胚(受精卵)ができることはよくあります。
1回の移植で使用する胚は通常1個ですので、この場合、胚が余ることになります。また、採卵時に卵巣過剰刺激症候群を発症しており、その重症化を防ぐために、採卵周期での移植、妊娠を避けたい場合もあります。

現在では技術の進歩により、胚を凍結保存しておき、別の周期で融解し、胚移植をすることが可能となっています。胚を凍結保存しておくことで、移植が不成功に終わった場合や、移植が成功して次の妊娠を希望する場合に、新たな排卵誘発や採卵を繰り返すことなく妊娠を目指すことが可能になり、身体的・経済的負担を軽減することができます。また、一度に子宮に移植する胚の数を制限することができ、多胎妊娠のリスクを減らすことにもつながります。
日本産科婦人科学会の統計によれば、移植あたりの妊娠率は新鮮胚移植よりも融解胚移植のほうが高いことが知られています。これは排卵誘発をした新鮮周期では子宮環境が悪化しているためであると考えられています。よって、現時点では医学的な理由で胚凍結をためらう理由はないと言えます。

SEET法、ST法

着床不全の方に対する治療法としてSEET法(Goto et al., Fertility and Sterility 2007, 2009)、ST法があります。
SEET法ではまず受精卵を胚盤胞の状態まで育て、凍結保存します。この際、この受精卵を培養した培養液も別に凍結しておきます。融解胚移植を行う周期に、まずあらかじめ凍結しておいた胚培養液を融解して子宮の中に注入したうえで、その後に胚盤胞移植を行います。この方法を行えば、培養液中に受精卵から分泌された未知のシグナル物質により子宮が活性化されるため、妊娠率が上がると考えられています。

ST法は未使用の培養液をSEET法同様に胚盤胞移植前に使用する方法です、この方法でも妊娠率が上昇する傾向が認められています。これはチューブの挿入および培養液の注入といった物理的な刺激のみでも子宮が活性化されることを示唆しています。

補助孵化療法

ヒトの卵子はもともと透明帯と呼ばれるタンパク質でできた殻で包まれていますが、移植前の胚の透明帯の一部をレーザー照射あるいは酵素によって薄くし、孵化を助ける補助孵化療法を移植前に行うことがあります。